札幌競馬場
夏の風物詩「北海道シリーズ」を担う競馬場
芝コースの高低差が0.7m、ダートコースの高低差が0.9mと特筆するほどの起伏は設けられておらず、「ほぼ平坦な」レイアウトとなっている札幌コースだが、北都に位置するこの競馬場には、大きな特徴をひとつ指摘することができる。コースが全体的に“丸っこい”ことだ。
函館競馬場
日本で最も歴史の長い競馬場
夏の北海道開催のオープニングを受け持つ函館競馬場は、JRA全10場のなかでもっとも「直線の長さが短い競馬場」として知られている。
芝コースの場合、4コーナーからゴールラインまでの距離は262.1m(ダートコースは260.3m)。東京競馬場の直線(525.9m)の半分にも満たないどころか、同じく東京の直線の、“坂を上り終えた地点からゴール板までの距離(260m)に匹敵する長さ”と書けば、函館の直線がいかに短いかを実感していただけるはずだ。
福島競馬場
東北で唯一のJRA競馬場
コースの起伏という観点から眺めたとき、福島競馬場は数あるローカル競馬場の中でもかなり特徴的な競馬場といえる。芝コースの高低差は1.8m(ダートコースは2.1m)。これは日本一の高低差を誇る中山競馬場(5.3m)はもちろん、函館・中京競馬場の高低差(3.5m)にも及ばない数字だが、“起伏のつけられ方”が独特なのだ。
新潟競馬場
日本で唯一の直線競馬が行われる競馬場
国内初となる直線競馬コースを新設した上に、かつての“右回り”を“左回り”に作り変えるという大掛かりなコース改造工事が竣工した2001年夏以降、新潟は多彩な顔を持つ競馬場に生まれ変わった。
まずは、日本最大のスケールを誇る外回りコース。2223mという1周距離(Aコース使用時)はご存知の通り日本最長、658.7mという直線も、東京競馬場のそれより130m余りも長い。スタンドエリアから遠く離れた3~4コーナーを走る馬たちの姿は、欧州の競馬場を彷彿させる。まさに“日本離れしている”といっても過言ではない独特のコースなのだ。
東京競馬場
競馬の祭典日本ダービー(GI)の舞台、東京競馬場
コースの起伏という観点から眺めたとき、福島競馬場は数あるローカル競馬場の中でもかなり特徴的な競馬場といえる。芝コースの高低差は1.8m(ダートコースは2.1m)。これは日本一の高低差を誇る中山競馬場(5.3m)はもちろん、函館・中京競馬場の高低差(3.5m)にも及ばない数字だが、“起伏のつけられ方”が独特なのだ。
中山競馬場
暮れの風物詩、「有馬記念(GI)」が開催される競馬場
有馬記念や皐月賞などが行われる“内回り”と、スプリンターズSなどの舞台となる“外回り”。中山競馬場の芝コースは“2本立て”の構成となっている。2つのコースは2コーナーで分岐し、3コーナー地点で再び合流するというレイアウト。このうち外回りコースに比べると、2~3コーナーのカーブがかなりタイトな設計となっている内回りコースは「小回り」のイメージが強い。
中京競馬場
芝短距離王者決定戦、高松宮記念(GI)とダート王者決定戦、チャンピオンズカップ(GI)を開催!
従来は駐車場として利用されていた3~4コーナー奥の敷地にコースを拡張。芝コースの全長が1600mから1705.9m(Aコース使用時)に、ホームストレッチの長さも313.8mから412.5mに延長されて、直線に向いてすぐの地点に勾配2%の急坂が新設された結果、リニューアルオープン(2012年3月)以降の中京競馬場は国内でも屈指と言えるほどタフなコースに生まれ変わった。ちなみに、芝のホームストレッチの長さは京都の外回りコース(403.7m:Aコース使用時)を上回り、直線の坂の勾配は中山の2.24%(最大勾配)に次ぐもので、西日本地区の競馬場では最大の勾配となっている。「ほぼ平坦で小回り」だったかつてのイメージは一新された訳で、リニューアルオープンと言うより、「従来の敷地にまったく新しい競馬場が誕生した」と表現する方が当たっている。
京都競馬場
「淀の坂」と呼ばれる第3コーナーの坂が特徴的な競馬場
京都競馬場の芝コースは、阪神や中山と同様に、“内回り”及び“外回り”から成る2本立ての構成となっている。この2つのコースは3コーナーで分岐し、4コーナーで合流するというレイアウト。一方で2コーナーの奥にはバックストレッチに連なる長い引き込み線が設けられており、マイルチャンピオンシップが行われる芝1600m(外回り)、きさらぎ賞が行われる芝1800mは、向正面左手の奥深い地点からスタートを切ることになる。
阪神競馬場
日本屈指のスケールを誇る競馬場
従来の3~4コーナーの外側に、外回りコースを新設する大掛かりなコース改造工事が竣工した2006年暮れ以降、阪神競馬場は日本屈指のスケールを誇る競馬場に生まれ変わった。芝内回りコースの1周距離は1689m(Aコース使用時、以下同)と標準的なサイズながら、新設された外回りコースの1周距離は2089mにも及び、右回りの競馬場の中では日本最長で、東京競馬場のそれ(2083.1m)をも上回る広大なコースとなった。 このコース改修工事によって、従来のコースに指摘されていたいくつかの問題点は一掃された。特に有名なのは、桜花賞や阪神ジュベナイルフィリーズなどの舞台となる芝1600m。1コーナーの奥に発走地点が設けられていた従来の1600mでは、スタート後間もなく2コーナーのカーブにさしかかるレイアウトのため、内枠の馬は馬群のゴチャつきに巻き込まれやすく、外枠を引いた馬は外々を回らされてしまうロスを指摘されていたが、長い長いバックストレッチの半ばに発走地点が移されたリニューアルオープン後は、そうした不満の声は聞かれなくなった。また、芝・ダートコースの1~2コーナーにはスパイラルカーブを導入。半径が小さいため、ゴチャつく危険性が高かったダートコースの3コーナーも、緩やかなカーブに改良された。芝もダートも、全般的にフェアで紛れが生じにくい、すなわち“真の実力”を問われるコースに一新されたといえる。 一方で、障害コースは改造工事前と同様、左回りでスタートを切った後、襷(たすき)コースを経て右回りに反転、ゴールを目指していくスタイル。京都の三段跳びに比肩するような“独特の障害”は設置されていないが、いけ垣、水ごう、竹柵、そしてグリーンウォールといったお馴染みの障害が、出走馬たちを待ち構えている。